「誠実を胸に刻み、共に希望を語ること」

平成22年度が始まり、4月1日に恒例の法人の「辞令交付式」を行いました。(※「事務局日記」参照)
**********************************
『学ぶとは誠実を胸に刻むこと、教えるとは共に希望を語ること』(フランスの詩人ルイ・アラゴンの言葉)

私の友人で、優れた福祉マインドを持つ阿部三樹雄氏は、彼の講演や著作『対人援助技術論』の中で、「(いくら問題行動が多い障害者でも)人格のコアの部分で、真面目に生きたい、人には優しくしたいという純粋な心がある。私たち援助者はそこを信じて支援していくことが求められる。」という趣旨のことを言っています。

本日から皆さんが入る支援現場では、かなり困難な場面も多くあるかと思います。そうした時でも、決してひるむことなく、臆することなく、頑張っていってほしいと思います。
そのためには、まず、親愛会の福祉サービスを利用していただいている皆様方の精神的なコアな部分の誠実、つまり真面目、真心、誠・・・といったところに触れて、彼らと共に個別支援計画にそって実践していく。そうした中で援助者自らの学びとして「誠実を心に刻んでいく」、このことが対人援助の一つ目の基本姿勢だと思います。
このことがなければ、利用者からの信頼は得られないからです。

ところで、特に施設入所支援の現場では、事細かな業務標準表に基づいた日課の中で、職員は分刻みの個別援助サービスを行っております。近年の重度・高齢化に加えて、病弱者の増加が、かつての指導から介助・介護へと質の変化を深めている傾向にあります。
そうした多忙な中においても、皆さんには自らを見失うことなく、対人援助サービスの、二つ目の基本姿勢として、「共に希望を語り合う」ことが求められると思います。
このことがなければ、つまり、自らの将来に対する願いを共感し合うことがなければ、利用していただいている皆様の生きがいは絶望への一途をたどるほかないことになるからです。

「誠実を胸に刻み、共に希望を語ること」
どうか、この言葉の意図するところを責任の重い対人援助の基本として理解し、心に銘記しておいていただきたいと願うものです。(「理事長挨拶」より)
**********************************