ささやかな抵抗〜”体育・徳育・知育”〜

先日、夕方のカーラジオから聞こえてくる『NHK市民大学講座』の講義の中に、「60歳を過ぎると、足脚の筋力が50%まで落ちる」というような話がありました。早速、家に帰ってパソコンで調べると、いろいろな学説あって、例えば「65歳で25%、80歳で残り25%落ちて、25歳ピーク時の半減となる」ような記載もあって、一概には言えないものの、確実に足脚ばかりではなく人の筋力は加齢と伴に落ちていくそうです。もちろん、大病して、病床生活ともなれば、急激な下落は覚悟しなくてはならないところです。
私は、足かけ5年前から、毎朝、毎週末毎に練習を重ねて、年間にいくつかのマラソン大会に出て、制限時間内に“完走”することを目標に還暦ランナーを続けています。元々、運動神経が良くない上に、(それでも体育系クラブに挑んだ)学生時代までさかのぼるブランクの長さが物を言って、相変わらず癒えぬ間に再びどこかに故障を抱え込む最悪のランナー(タイプ)なのではあります。しかしながら、それに余りある健康と体力の恩恵が忘れられず、今では、決してやめられない趣味の一つになっています。
そんなこともあって、人に会えば、「人間は、頭だけで生きているのではない。生物の1つであることを忘れてはならない。だから、(年をとるほど)車の両輪である頭と体のうち、もう一方の体に運動刺激を与えていかなければならない」と養生訓を語って、煙たがられることもあります。
それにしても、筋力が半減とは・・・、年齢相応に思い当たる節もあれば、ささやかな抵抗ながら思い当たらない節もあって、やや腑に落ちません。
ところで、少し前に行われた小中学校の同窓会でのこと、恩師のY先生は、挨拶の中で、自らの60歳の時の感慨として「これまでは知育・徳育・体育で生きてきた。これからは体育・徳育・知育の順で生きていく」と本に著したことを紹介し、いかに高齢期の運動、体力作りが大事であるかを話されました。そして、自ら65歳を過ぎてゴルフを始められたことを披露し、会場万雷の拍手を得たことでした。
さて、親愛会のグループホームでは、昨年、“小江戸川越マラソン大会”が始まったことに刺激されて、マラソンクラブが結成されました。昨年は、戸田マラソン、川越マラソン、福原地区マラソンに参加し、今年は、早や、稲荷山マラソン大会エントリーを加えて、本格的な練習を開始したところです。私も、伴走者として参加して、体育を前面に押し出したシーズンを楽しみたいと思います。
折から、猛暑の夏も、残暑も過ぎ、彼岸を境の台風が去って、“体育”の季節が始まります。
(理事長 矢部 薫)