オープンして1か月〜そして、みどりのまち親愛点描〜

7月1日に介護保険福祉施設「みどりのまち親愛」がオープンしてから1か月が経ちました。
当初の見込みよりも入居者が少なくて、他施設の動向も聞き及ぶところ、4月、8月の相次ぐ介護保険制度の改正による影響もさることながら、背景には後期高齢者の絶対数の低迷もあるようです。
一般的に病弱化傾向の強まる後期高齢者の入り口の、今年75歳の人たちは昭和15年生まれです。昭和12年7月から始まった日中戦争支那事変)によって、欧米列強国との関係悪化の結果、ついに昭和16年12月に英米に宣戦布告・・・、いわゆる太平洋戦争勃発へと歩んだ歴史を考えれば、出生率が昭和22年以降のベビーブームを迎えるまでは低下してゆく時代です。
この後期高齢者、私たちのサービスのおおかたの対象者となる世代が一時的にせよ減少してゆく中、高齢者福祉施策として、課題が多いとはいえ待機者解消、あるいは団塊の世代が後期高齢期に突入する、いわゆる2025年問題の受け皿として、特養ホームは全国各地で着実に増えていくわけです。概して、私たち特養関係者は、今後7年は入居者不足を覚悟しなければならない計算になります。
加えて、この2〜3年来の福祉職員の人材不足も影響して、あちこちの特養ホーム関係者の「常勤換算数はどうにか確保しているが、十全な運営には足りない」という声が高まる一方です。さらに、介護・看護職員数に見合った入居者数しか受け入れられないという状況も一部には出始めていると聞いています。
幸いに、親愛会の職員数は、障がい者福祉サービスも含めて、どうにか確保できています。が、すでに来年度の職員募集を開始したものの、8月1日から始まった大手企業の採用開始に戦々恐々、役職員一同、出した内定を死守したい気持ちでいっぱいです。
話は変わりまして、みどりのまち親愛の敷地外周に植えられた草花やサツキ・サザンカ、そして広大な庭に発芽したクローバーのグリーンが、このところの猛暑で枯れかかっています。園庭整備を担当する職員を応援しようとデイサービスの職員や私が加勢しても、草取りが追いつきません。暦では明日8日が立秋ですので、秋の風の気配くらいは感じたいところですが、朝からわずかに吹き来る風はすでに体温以上の熱風・・・、“焼石に水やり”なのです。
そんな中、熊谷職員が、
「6月中のことですが、みどりのまちの玄関のところで見たんですよ。カラスくらいの大きさの、グレーっていうより白っぽい鳥がお隣の飼い鳩を足でがしっと押さえて食べているんですよ。だいたいこんな鳥はテレビでしか見たことがないんで、あれーいつから飼っているのかなあなんて、変なふうに思っちゃいましたよ」
と、話かけてきました。私も、
「この前の日曜日の朝、いつものようにジョギングをして、農道に出たら、突然、目の前の電柱の先に大きな鳥が止まったのが目に入った。近づいて見ると確かにオオタカ・・・、そう結構白っぽくて、風格があるっていうか、思わず立ち止まって下から見上げても逃げない。携帯(カメラ)も持ってないんで、目にしっかり焼き付けて・・・、また走り始めてすぐに振り返って見たけど、もういないし、辺りにもいない。同じ鳥かもしれない」
と、応じた次第です。
今なお武蔵野の雑木林が広がる農村風景の残るところ、そんな会話の飛び交う園庭の中に、“みどりのまち”親愛はあります。
まずはお気軽に見学から・・・、どうぞお越しください。皆様方、よろしくお願い申し上げます。
若鷹の 足逞しく 夏野狩(井蛙)
(理事長 矢部 薫)