新年明けましておめでとうございます〜法人制度改革を迎えて〜

昨年3月31日公布の「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、同日、翌4月1日、そして本年4月1日で大きく社会福祉法人が変わろうとしています。今、その二段構えの施行のただ中にいます。
本改正の柱として、
1.社会福祉法人制度の改革
2.福祉人材の確保の推進
があります。
先に、2つ目の「福祉人材の確保の推進」ですが、昨年4月1日改正では、とりわけ、「介護福祉士の国家資格取得方法の見直し(による資質の向上等)」が大きな改正となりました。親愛会では、これまでの実務経験3年を経て、筆記試験と実技試験で取得が可能な資格として、現場を支える職員に推奨してきました。
本改正によって、実務経験ルートでは、3年以上の経験に加えて、最大6か月程度の法定の実務者研修(※旧ヘルパー資格等取得者には時間の短縮免除あり)を経て受験資格を得、さらに筆記試験(※実技試験は免除)により国家資格を取得することとなりました。これにより長らく続けてきた法人職員対象の「介護福祉士受験対策講座」(学科&実技)は、約35名以上の資格取得実績をもって、ひとまずの終了としました。
次に、1つ目の「社会福祉法人制度の改革」では、同じく4月1日より、全ての社会福祉法人に対し、「地域における公益的な取組を実施する責務」により「(社会福祉事業及び公益事業を行うに当たり、)日常生活又は社会生活上支援を要する者に対する無料又は低額な料金で福祉サービスを提供することを責務(として規定)」としました。
親愛会では、何度か本欄でも取り上げてきたように、地域福祉には伝統的に常に前向きに取り組んできたところです。
本改正の趣旨に適う事業としては、私も県社会福祉法人経営協の役員の一人として、県社協・種別協議会と共に、その準備からかかわってきた「彩の国あんしんセーフティネット事業」(平成26年9月1日発足)があります。その支部として、主に川越市南部地域を所轄する生計困難者に対する相談支援事業「あんしんネット親愛」(拠出金、相談員の配置)を同時に開始しました。現在、親愛センター・南の里、そしてワークスしんあいが加入し、ニーズのあるところ、兼任の相談員が多くの実績を上げています。
その他、社会貢献としては異論の残るところですが、法務省関係の「月山奉仕団の奉仕活動受入れ事業」「保護観察対象者の社会貢献活動受入れ事業」、「オレンジカフェ(認知症カフェ)」「市障がい者青年学級支援」などの活動をそれぞれの施設で行っています。
加えて、昨年6月21日に発足させた「福原地区福祉ネットワーク」(通称、福原ネット)を通じて、地区内福祉事業所間の防災協定を皮切りに、持ち回りで行う福祉講座(高齢・障がい・児童)の開催、子ども食堂・学習支援活動などを視野に入れた福祉計画を推進することとしました。
そして、今年4月1日より、いわば“法人制度改革の<本丸>”である、
(1)経営組織のガバナンスの強化
(2)事業運営の透明性の向上
(3)財務規律の強化
が施行となります。
これについては、昨年度後半から今年度にかけて中央、そして地方の社協・経営協・老施協・知的障がい者福祉協会等の各種団体であいついで開催された研修会でいち早く情報を得るよう努めてきました。しかしながら、国の詳細提示が遅れ、またややもすると二転三転したかのような錯覚に陥るようなこともありました。
やっと11月に入り、所轄である川越市との定款改正案のやり取りの中で、理事会、評議員会の位置づけ、そして会計監査人の導入時期等の課題がほぼ確定しました。親愛会では、これを待って、どうにか年内に新役員体制その他の大枠を検討したところです。
さて、正月明けより、定款改正を始まりとして、評議員選任・解任委員会の設置・開催等、年度内に着手しなければならない作業が待ち構えています。また、6月中旬に予定されている新制度下の評議員会までには、役員報酬規程等の諸規程案作りが山積しています。
私たちは、このような大きな転換期にあって、むしろこのことを契機として、基本的には本来の福祉事業を進めていくことを中心に、社会貢献活動を通して包括的な地域(地区)福祉計画推進の一端を担える組織として大きく前進したいと思います。
(理事長 矢部 薫)