みどりの町に“里の道”〜日本画の寄贈〜

昨年秋に、法人本部のある「みどりのまち親愛」に日本画の寄贈がありました。
制作者は、兵庫県姫路市在住の日本画家、山粼法枝(やまさきのりえ)氏。現在、兵庫県日本画家連盟会員、神戸芸術文化会議会員、姫路美術協会運営委員、半どん播磨の会会員等々を務められておられます。
11月初旬のこと、いずれも畳1枚2枚単位の大作が、遠く兵庫県からチャーターされたトラックで運び込まれたのですから圧巻です。
早速、ピクチャーレールの取り付けを終えて、どうにか画家が来園される11月末には飾り付けることができました。
『里の道』(約2,080×1,670、吹き抜け階段部)
―後述、画家評あり―
『祭りの日に』(F50号1,167×910、事務室入口)
―後述、画家評あり―
『緑韻』(P60号1,303×894、1Fユニット「せせらぎ」玄関)
―石段に映る緑陰を精緻に描き、見る人を頂に誘う―
『ムクノキ』(P50号1,167×803、1Fユニット「こもれび」玄関)
―人々の暮らしを見守り、樹齢を重ねた老木が何やらつぶやく―
『野の花』(F50号、2Fユニット「わかくさ」玄関)
―遠くの山々からの清流に沿って咲く白花の大群落が限りなく清楚―
『たばこや』(F50号、2Fユニット「ひだまり」玄関)
―その昔、見馴れた土蔵造りの店先、懐かしさをガラスに映す―
『枝垂れ桜』(F10号530×455、2F会議室)
―施設中庭にある約30年のしだれ桜、ひたすらに満開を寿ぐ―
当日は、私はあいにく他県に出かけてお会いすることができませんでしたが、お願いした経歴書には40歳で始められたとあり、全くの感服でした。お礼状が添えられておりましたので、紹介させていただきます。
「ご縁があって私のつたない絵を飾っていただき重ねてありがとうございます。
『里の道』は田舎の道で見る人の心の中にあるどこかで見た事のある道です。荷車やリャカーの通る“わだち”のある所が良いとか二階建ての今風の家が良いとか聞かせていただき大変嬉しく思います。
『祭りの日に』の女の子の絵は子供や孫に重ね合せてかわいがっていただければと思います。
それぞれに想いと色を重ねて描きましたが、(中略)飾っていただけて本当に良かったです」
そして、施設の玄関の壁に松飾りの代わりに、画家よりいただいた色紙『招福さる』を飾って迎えた正月には、早速、年賀状をいただき、
「息子が定年をすぎても途中で道をかえても、ずーと絵は末長く置いてください。ご縁をありがとうございます」との添え書きがありました。そう、本法人本部に勤務する山粼晴雄さんの母上様というご縁なのであります。
今後、時には模様替えすることはあっても、法人の所蔵品として永久に保存し、そして飾っていきたいと思います。有難うございました。
(理事長 矢部 薫)